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異常値の出た時・20
アルカリ性ホスファターゼ
著者: 坂岸良克1
所属機関: 1埼玉医大生化学
ページ範囲:P.852 - P.858
文献購入ページに移動 Robinson(1924)1)が化骨部位におけるアルカリ性ホスファターゼ(Al-P)の高活性を報告してから,Kay (1929)2)が骨疾患の診断に血清Al-P活性の上昇を利用し,また,Roberts (1930)3)が肝胆道疾患の指標にこの活性を取り上げて以来,かなりの年月を経ているのに,その後Al,P活性の臨床的応用にそれほど著しい進歩が見られなかった理由は,血清Al-Pの由来が多様であったこと,すなわち細胞からの逸脱酵素ではなく,むしろ分泌あるいは漏出され,あるいは胆汁からの血液への逆流などによるためと思われる.最近になって急速にAl-Pアイソザイムの分離法が進歩し,酵素の精製法も容易になり,血清Al-Pの由来を考慮しつつ解析することができるようになつたため,検査値のより臨床的な解釈が可能となってきた.
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