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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻8号

1974年08月発行

文献概要

臨床化学分析談話会より・12<関東支部>

臨床家との強い連携を—尿酸の測定法と臨床的評価

著者: 中甫

所属機関:

ページ範囲:P.892 - P.892

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 173回関東支部例会(49.5.19)は東大薬学部の記念講堂で開催された.今回は今年予定されている測定法と臨床評価シリーズの第2弾,尿酸の測定法と尿酸の臨床的評価を中心に虎の門病院生化学 中山年正先生と自治医科大学 西岡久寿樹先生の話題提供により行われた.このシリーズは日常検査に直結した話題であるので100名以上の参加があり,回を重ねるごとに増加の傾向がある.
 中山先生は最近の尿酸測定に関する文献をレビューしてくださり,問題点をいくつかに分類して意見を加えながら解説をしてくださった.次にそのおもな分類をあげると,標準液,除タンパクと抽出,尿酸の性状,UV吸収法,酵素法,リンタングステン酸法,比色法による妨害などとなる.尿酸の標準液には通常ホルマリンが添加されるが,ホルマリンの無添加と添加ではUV吸収法において吸収曲線にズレを生じ,その程度も濃度により異なることが示された.リンタングステン酸法においてもホルマリンの有無により発色強度の異なることが示された.除タンパク時の尿酸の回収の悪さは,タンパクへの吸着や尿酸の沈殿化および呈色の妨害ではなく,瀘紙への尿酸の吸着が主体であり,除タンパク時のpHと瀘紙の大きさに依存することが示された.UV吸収法は測定の試みがいくつかあるが,いずれも日常検査法としては不向きであるという意見であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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