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Senior Course 生化学
自動化学検査・8—尿素窒素
著者: 中甫1
所属機関: 1三井記念病院中検
ページ範囲:P.914 - P.915
文献購入ページに移動 尿素窒素の測定に主として用いられている方法は,直接法であるDiacetyl Monoxime法(以下D-M法)と間接法であるUrease Berthelot法(またはUreaseIndophenol法,以下U-I法)である.いずれの方法も自動分析に応用されている.ディスクリート方式自動分析機では,D-M法が反応に高温を必要とすることから,もっぱらU-I法が応用されている.ディスクリート方式は反応ラインが1つのシステムの中に組み込まれているので,恒温槽が別のブロックになっている連続フロー方式と異なり,加温温度に制限がある.したがって比較的温和な条件で測定できるU-I法がディスクリート方式には適しているといえる.水解により生成したアンモニアの測定はNessler反応が繁用されてきたが,最近はBerthelot反応の応用により感度が10倍も増加し,微量直接定量が可能となった.用手法の測定条件がそのまま応用できる機種では自動化も容易である.しかし,ディスクリート方式でも応用の困難な機種もある.たとえば反応時間の短い機種では,U-I法でも十分満足な値が得られない場合がある.われわれが使用しているVickers M300(およびD300)は最大反応時間が10分である.従来われわれはこの機種にU-I法を使用してきたが以下のような問題点があり満足とはいえなかった.
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