文献詳細
文献概要
研究
単球性白血病患者に認められた抗I+i抗体と考えられる一例について
著者: 河瀬正晴1 原功1
所属機関: 1姫路赤十字血液センター
ページ範囲:P.987 - P.989
文献購入ページに移動緒言
正常ヒト血清中には低温で,他人の血球はもとより自己血球をも凝集する寒冷凝集素があることは古くから知られていたが,この反応は非特異的で高力価の寒冷凝集素に対してはすべてのヒトの血球が強く反応すると考えられていた.したがって,寒冷凝集素は型特異性はないと考えられていた.
1956年Wienerら1)は後天性溶血性貧血の患者血清中に存在する寒冷凝集素について研究を行った結果,被検血球22,000例中5例のものはこの寒冷凝集素と反応を示さなかった.そこでWienerらは寒冷凝集素にも型特異性があると結論して,反応しない血球をi型(I陰性),強く反応する血球をI型(I陽性)とし,抗体を抗I抗体と名づけた.
正常ヒト血清中には低温で,他人の血球はもとより自己血球をも凝集する寒冷凝集素があることは古くから知られていたが,この反応は非特異的で高力価の寒冷凝集素に対してはすべてのヒトの血球が強く反応すると考えられていた.したがって,寒冷凝集素は型特異性はないと考えられていた.
1956年Wienerら1)は後天性溶血性貧血の患者血清中に存在する寒冷凝集素について研究を行った結果,被検血球22,000例中5例のものはこの寒冷凝集素と反応を示さなかった.そこでWienerらは寒冷凝集素にも型特異性があると結論して,反応しない血球をi型(I陰性),強く反応する血球をI型(I陽性)とし,抗体を抗I抗体と名づけた.
掲載誌情報