icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻1号

1975年01月発行

文献概要

技術解説

肺真菌症の検査

著者: 池本秀雄1

所属機関: 1順大・内科

ページ範囲:P.7 - P.16

文献購入ページに移動
 肺真菌症を起こす原因菌としては,Aspergi-llus属殊にA.fumigatus,ならびにCandida属殊にC.albicansが最も多く,頻度はかなり落ちるが,Cryptococcus neoformansがしばしば問題になり,この他比較的まれながら,Rhi-zopus, Mucor, AbsidiaなどPhycomycetes,ごくまれにGeotrichum candidumなどによるものがある.米国など特定の地域には多いが,海外旅行者,移住者は別として,日本ではまずみられない肺真菌症としては,ヒストプラスマ症,コクシジオイデス症,北アメリカプラストミセス症,南アメリカブラストミセス症があり,原因菌はぞれそれHistaplasma capsulatum, Coccidioi-des immitis, Blastomyces dermatitidis, Para-coccidioides brasiliensisである.
 原因菌は,分類学上は細菌に位置づけされているが,病像が真菌症に似ているため,慣習的に真菌症の取り扱いをうけているアクチノミセス症(放線菌症),ノカルジア症では,病変が肺に好発する.前者は最近とみに減少しているが,後者は免疫不全などとの関連もあって,その報告が少なくない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?