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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻10号

1975年10月発行

文献概要

カラーグラフ

リンパ性組織と骨髄—正常組織像・1

著者: 広川勝昱1 丹下剛2

所属機関: 1東京医歯大・病理 2東大・病理

ページ範囲:P.1034 - P.1035

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リンパ性組織は免疫系組織として個体の防衛機構を担う組織で,中枢リンパ組織である胸腺と末梢リンパ組織であるリンパ節,脾臓,腸管付属のリンパ小節,扁桃から成る.後者は,胸腺由来の抗原認識能力を持つT-cellと骨髄由来で抗体産生能力を持つB-cellから成る.皮下リンパ節は外皮からの,脾臓は血管経由の,腸管リンパ小節およびそれに付属するリンパ節は腸管内皮からの,扁桃は口腔領域からの感染などの刺激に対して主として反応する.(広川)
骨髄組織診断は骨髄像を全体的に把握できる大きな特徴を有しているが,最近,臨床的に骨髄穿刺をした際,病理組織診断が要求される傾向にある.通常,3〜4μのパラフィン切片を作製し,H・E染色を普通染色とし,ギムザ,PAS,鍍銀,鉄染色などの特殊染色を行う.正常骨髄の基準は実質(造血細胞集団)/脂肪=1:1(面積比),赤芽球/顆粒球=1:3(数比),巨核球数が1mm2当たり7〜16個である.正常骨髄を見る機会は少ないので病的骨髄と対比してその一部を供覧する.(丹下)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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