文献詳細
文献概要
技術解説
IgE抗体の測定法
著者: 森田寛1 宮本昭正1
所属機関: 1東大 物療内科
ページ範囲:P.1037 - P.1045
文献購入ページに移動 気管支喘息,アレルギー性鼻炎などアレルギー性疾患の原因となるレアギン(IgE抗体)は,これまで,皮膚反応,P-K反応,ヒスタミン遊離反応など,種々の方法で検出されてきたが,近年,WideらによりradioimmunoassayによるIgE抗体の半定量法であるradioallergosorbe-nt test(RAST)が開発され,その簡便性,一度に多くの検体を扱える点,皮膚反応,P-K反応にみられる副作用の心配がない点などから徐々に普及しつつある.その原理は図1に示してあるが,それを簡単に述べると次のようなものである.まずsolid phaseに抗原を結合させ,この抗原とIgE抗体を反応させる.IgEに対する抗体(抗IgE)を125Iでラベルしておき,この抗IgE-125Iを抗原と結合したIgE抗体と結合させ,その放射能をカウントし,その値と標準血清で得られた標準曲線からその抗体を定量する.抗原を結合させるsolid phaseとしてsepha-dex,microcrystalline,sepharose 4B,paperdisc,ポリスチレンチューブなどが用いられているが,paper discを用いた方法が最も簡単で広く行われているので,本稿ではpaper discを用いたRASTの手技について解説する.
掲載誌情報