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特集 ウイルス疾患の検査法 ウイルス検査法概論
形態学的証明法—組織(細胞)診
著者: 倉田毅1
所属機関: 1東大医科研病理部
ページ範囲:P.1176 - P.1179
文献購入ページに移動 ウイルス病を,従来の病理組織学的および細胞診的方法で診断しようとすることは,現段階ではあくまで補助診断の意味しか持ちえなくなってきたし,そのウイルス学領域における応用範囲はそれほど広くはない.すなわち,ウイルス分離,血清学,免疫螢光法および電子顕微銃などによる診断法がこの20年あまりの進歩により,ヒトのウイルス疾患において欠くべからざるものとなった.
したがってウイルス疾患が疑われる時,できれば上記5項目の診断法をすべて用いるべきであり,それが不可能の場合には3つなり4つなりの方法により確定診断を行わなければならない.病理組織(細胞)学的診断法は,もちろん最低なされなければならないことではあるが,残念ながら極めて特別の場合を除き(例えば狂犬病で脳組織神経細胞中にネグリ小体をみつけること,肝臓における黄熱ウイルスによる特徴的な変化をみつけること,サイトメガロウイルス肺炎の際にみられるふくろうの眼球様封入体など),これだけで疾患の起因ウイルスを推測したり,決定することは不可能に近い.
したがってウイルス疾患が疑われる時,できれば上記5項目の診断法をすべて用いるべきであり,それが不可能の場合には3つなり4つなりの方法により確定診断を行わなければならない.病理組織(細胞)学的診断法は,もちろん最低なされなければならないことではあるが,残念ながら極めて特別の場合を除き(例えば狂犬病で脳組織神経細胞中にネグリ小体をみつけること,肝臓における黄熱ウイルスによる特徴的な変化をみつけること,サイトメガロウイルス肺炎の際にみられるふくろうの眼球様封入体など),これだけで疾患の起因ウイルスを推測したり,決定することは不可能に近い.
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