文献詳細
文献概要
ウイルスのことば
Simian virus
著者: 山内一也1
所属機関: 1国立予防衛生研究所
ページ範囲:P.1239 - P.1239
文献購入ページに移動 サルが自然宿主とみなされるウイルスの総称で,多くはサルの腎臓や脳の組織培養もしくは血液,ふん便などから分離されている.現在75種類以上あり,今後更に増えるものと考えられている.アデノとピコルナ群のウイルスが最も多く約半分を占める.この他,ポツクス,ミクソ,パラミクソ,ヘルペス群などのウイルスが知られている.サル由来のウイルスにはヒトで重症の感染を起こすものがあり,代表的なものとしてヘルペスBウイルスがあげられる.SV40,ヘルペス,サイミリ,サル肉腫ウイルスなどのように腫瘍を作るものもあり,特に後2者はサルに白血病を引き起こすことで重要視されている.サルの腎臓細胞に汚染して空胞変性の原因になるウイルスはfoamyウイルスと呼ばれており,サルの腎臓細胞培養時の大きな障害になっている.
掲載誌情報