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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻11号

1975年11月発行

文献概要

総説

TPHAテストの迅速化,特にMicrotiter法の応用

著者: 岩下健三1 相河和夫2

所属機関: 1日本赤十字社血液センター連盟 2東京都赤十字血液センター

ページ範囲:P.1323 - P.1329

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 梅毒の血清学的検査法には,従来のCardio-lipin-LecithinによるSTS(serologic test forsyphilis)とNelson-Mayer(1949)により開発された梅毒病原体(Treponema Pallidum)由来の抗原によるTp抗原反応とがある.前者にはガラス板法,緒方法,Kolmer法など,また,後者にはTPI, FTA-ABS, TPHA法などがあるが,前者,すなわちSTSだけで梅毒と断定することの危険なことはいうまでもない.
 というのは,第一にSTSは陽性でも梅毒でないもの,すなわち生物学的偽陽性反応(biologi-cally false positive reaction, BFPといわれる)がマラリヤ,癩をはじめ多数知られているからであり,また,第二にはSTSは陰性でも梅毒であるもの──古い梅毒であるが──が少なからず見出され,かかる例からの感染が決して少ないとはいえないからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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