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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻12号

1975年12月発行

文献概要

カラーグラフ

切除肺病巣から検出されたMonosporium opiospermum

著者: 松井晃一1 村松茂1 山下英秋1

所属機関: 1静岡県立富士見病院臨床険査科

ページ範囲:P.1378 - P.1379

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 Monosporium apiospermum1〜4)は四肢の皮膚に菌腫を作る病原性菌として熱帯,亜熱帯地方に多く見出され,殊にインドのMadura foot (マヅラ足菌腫)の病源としては有名である.本菌による肺疾患は日本では極めて少なく,原発性疾患に至っては,当院で1966年7月の切除肺病巣からの分離培養による報告1)(上塚ら)が初めてである.1972年12月に本菌による肺疾患の2例目が切除肺病巣から再び確認されたので,本菌株について図説する.2例目の患者は術前に肺真菌症を疑われ,切除肺材料については特に真菌の検索を重点に培養した.空洞の内容物を懸濁してサブローブイヨン,チオグリコレートおよび小川培地に0.1 ml接種し,サブローカンテン平板にはその1エーゼを塗抹培養した.その結果小川培地(1例目も同様)だけに約1週間後多数の綿毛様の集落が培地全面に増殖して,分離後の継代培養ではサブローカンテン平板に3日問で集落を形成した.本疾患の詳細な病歴については他誌に発表したので参照されたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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