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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻12号

1975年12月発行

文献概要

Senior Course 一般検査

関節液

著者: 池内宏1

所属機関: 1東京逓信病院整形外科

ページ範囲:P.1482 - P.1483

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関節液とは
 関節液は血漿のprotein-containing dialysateに滑膜細胞に由来するムチンが加わったもので,血管のない関節軟骨の栄養を司どると同時に,潤滑油的機能を果たすものと考えられている.正常関節液の量はRopesらによると,0.13〜3.5 ml,平均1.1 mlであるが,仰臥位で外側膝蓋上または膝蓋下穿刺で得られる量は多くて2ml以下である.わずかに粘稠な液が注射針内に入るだけで定量できない場合が多い.検査のためには採取時,局所麻酔薬や血液の混入を避けなければならない.正常関節液は白色または黄白色でほぼ透明な非常に粘稠な液である.放置してもフィブリノゲンがないので凝固しない.
 病的関節では液量が増加し,膝関節では30〜40 ml,ときには120mlも貯留することがあり,多くは黄色調が強くなり,比粘度が低下し混濁が増強する.痛風や仮性痛風では尿酸塩結晶やピロリン酸カルシウム結晶が存在し,小関節の液は白濁するが,膝関節の場合には必ずしも強い白濁はみられない.外傷の部位や疾患によっては全く血性のこともある.病的関節液は放置すると血液のように凝固する.採取直後の関節液を標準液を調製して比較検討してみると,大体細胞数と一致する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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