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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻2号

1975年02月発行

文献概要

カラーグラフ

糖原病の糖原染色

著者: 栗田安子1 岩政輝男2

所属機関: 1熊本大学医学部第2病理 2下関市立中央病院研究部

ページ範囲:P.126 - P.127

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 グリコーゲン代謝経路の酵素欠損症である糖原病は比較的まれな疾患とされているが,I型糖原病(グルコース-6-ホスファターゼ欠損症),Ⅲ型糖原病(アミロ-1,6-グルコシダーゼ欠損症)およびⅣ型糖原病(アミロ-1,4→1,6-トランスグルコシダーゼ欠損症)を経験したので,それらにおける糖原染色性を検討してみた.
 Ⅰ型では正常構造の糖原が蓄積し,Ⅲ型ではリミットデキストリン様構造,Ⅳ型はアミロペクチン様構造の糖原が蓄積する.Ⅲ型では糖原固定に繁用されるカルノア固定を行っても糖原の流出のためPAS染色などの糖原染色性は極めて悪いが,Ⅳ型では流出しにくくホルマリン固定でもよく染色される.これらいずれの型の糖原病においても,未固定凍結切片にセロイジン膜をかけることにより著しく良く糖原を染色することができる.同様に,酵素組織化学的ホスフォリラーゼ反応においてもセロイジン膜をかけることにより良い成績を得ることができた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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