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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻2号

1975年02月発行

文献概要

技術解説

赤血球酵素の検査

著者: 三輪史朗1

所属機関: 1山口大第3内科

ページ範囲:P.129 - P.138

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 赤血球内の諸酵素活性を測定することの必要性は今後だんだん高まつてくる傾向にある.その主な目的は,先天性代謝異常性疾患の診断や保因者の検索にある.溶血性貧血やメトヘモグロビン血症のように赤血球自体の障害による代謝異常性疾患の診断に不可欠であるのはもちろんのことであるが,赤血球系には異常を示さず他の臓器症状を主徴とする疾患一例えばガラクトース血症や無カタラーゼ血症—の確定診断のために赤血球内の酵素活性測定が役立つことがある.これは赤血球は他の臓器組織に比べれば比較的簡単にかつ繰り返して採取できるためで,他の臓器組織に欠乏する酵素が赤血球でも欠乏している場合,診断に役立つのである.しかし,もしも他臓器に存在する酵素が正常赤血球にもともと存在しない場合とか,アイソザイムが赤血球と他臓器組織で全く異なる場合には,当該臓器で欠乏する酵素を赤血球を用いて診断することはできない.
 赤血球内の酵素活性の測定法にもいろいろの方法があり,酵素の種類によっても当然異なっている.赤血球のアセチルコリンエステラーゼはpHの低下をpHメーターを用いて測定する,カタラーゼはH2O2濃度を過マンガン酸カリウムを加えて滴定する,またATPaseは遊離するリン酸をリンとして定量するなど様々である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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