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研究
神経細胞内有機水銀顆粒の組織化学的証明の新しい試み
著者: 高屋豪瑩1
所属機関: 1東京都立府中療育センター
ページ範囲:P.185 - P.187
文献購入ページに移動はじめに
水銀中毒症では,ある種の神経細胞内に水銀が取り込まれることは明らかであるが,取り込まれた水銀がどのような細胞部位に存在するのか,いまだ確証はない.
組織内に取り込まれた水銀を組織化学的に証明するのに,これまで種々の方法がとられてきた.例えば,硫化水素を用いて硫化水銀として証明する方法,塩化第1錫を介して証明する方法,ジチゾンなどによって水銀に鋭敏に反応する色彩沈殿反応,あるいは硫化銀にする方法などがあげられる.これらの方法はいずれも,無機水銀を証明する目的で行われてきた方法である.他方,有機水銀を証明する方法はいまだ数少なく,白石1,2)が組織を硫化水素アルコールで前処置し,その後Timm3)の無機水銀証明法を行うと,組織内に含まれる有機水銀が証明できることを報告したのが初めである.その後,この方法に改良を加えた二,三の報告4〜6)があるにすぎない.
水銀中毒症では,ある種の神経細胞内に水銀が取り込まれることは明らかであるが,取り込まれた水銀がどのような細胞部位に存在するのか,いまだ確証はない.
組織内に取り込まれた水銀を組織化学的に証明するのに,これまで種々の方法がとられてきた.例えば,硫化水素を用いて硫化水銀として証明する方法,塩化第1錫を介して証明する方法,ジチゾンなどによって水銀に鋭敏に反応する色彩沈殿反応,あるいは硫化銀にする方法などがあげられる.これらの方法はいずれも,無機水銀を証明する目的で行われてきた方法である.他方,有機水銀を証明する方法はいまだ数少なく,白石1,2)が組織を硫化水素アルコールで前処置し,その後Timm3)の無機水銀証明法を行うと,組織内に含まれる有機水銀が証明できることを報告したのが初めである.その後,この方法に改良を加えた二,三の報告4〜6)があるにすぎない.
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