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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻2号

1975年02月発行

文献概要

Senior Course 血液

—検査室からみた血液疾患の特徴—巨赤芽球性貧血

著者: 天木一太1

所属機関: 1日大・第1内科

ページ範囲:P.228 - P.229

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特徴の明確な巨赤芽球
 巨赤芽球性貧血(megaloblastic anemia)の代表は,悪性貧血であり,これはビタミンB12(以下,B12)の欠乏のために巨赤芽球性貧血になるCIが1.1以上にもなるような貧血は高色素性貧血であり,赤血球1個の持っている血色素が正常の10%以上(平均)も多いことを示している.溶血性貧血,再生不良性貧血でもやや高色素性の傾向を示すことはあるが,1.1を越えるようなことは少ない.これに反して巨赤芽球性貧血では1.3以上にも及ぶのである.赤血球を鏡検すると巨大な赤血球があるうえに,非常に小型のものも混じっていて,大小不同症が著しい.赤血球算定の時,この小型のものを数えずにしまうと,CIは実際以上に上昇してしまう.MCVも110〜130μm3ほどに上昇していて,赤血球が著しく大型になっていることを示している.しかしMCHCは34%を越えることはない.正常赤血球の34%という血色素はすでに飽和しているので,これ以上にはなりえないのである.
 赤血球形態をよく観察すると,著しく大型の,凹みのない,いびつな赤血球,すなわち巨赤芽球から成熟した巨赤血球がみられ,大小不同症ばかりでなく,奇形症も著しい.このような時にはよく探すと,少数の巨赤芽球がみつかることが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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