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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻3号

1975年03月発行

文献概要

Senior Course 生化学

—酵素の初速度測定—初速度測定に必要な知識 Ⅱ

著者: 大場操児1

所属機関: 1獨協医科大学病院中検

ページ範囲:P.328 - P.329

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1.阻害と活性化
 試薬中に,洗浄不良によるガラス器具に付着した汚染が反応を妨害したり,発色を助長することは既に指摘されている.これとは別に反応過程において添加し,その結果として反応を高めたり停止したりすることができる物質を活性化剤とか,阻害剤と呼んでいる.
 無機金属イオン,SH化合物は酵素を活性化する.Na,K,Mg2+,Zn2+,Mn2+,Fe2+,Co2+,システインなどは活性化剤として一般にあげられている.そしてこれらの活性化剤で活性化される酵素の活性測定時には,一般に活性化剤を添加して測定することになっている.ただ,同一金属イオンでもある酵素には活性化因子として働き,他の酵素には阻害作用を現すものもある.また,その物質の濃度により活性化したり,阻害化したり,阻害化したりすることがあり,よく酵素の性状を調べてから用いるようにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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