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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻4号

1975年04月発行

文献概要

技術解説

解剖介助の仕方

著者: 清水一男1 進藤登2

所属機関: 1東海大学病院中検 2国立病院医療センター臨床検査科病理

ページ範囲:P.349 - P.358

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 病理解剖が医学の中に占める位置は,他の臨床検査法,内視鏡などの進歩によって昔とだいぶ変わってきてはいるが,病変の広がり,臨床検査のデータの読みを確実にしたり,治療効果の判定,治療による病変の修飾のされ方,薬物の生体に与える影響や,一つの病気が全身にどのような関係をもつかは,どうしても病理解剖によって調べなければならない.その仕事の中で介助者は表にでない裏方ではあるが,その役日は重要である.病理解剖は通常執刀医と介助者で行われ,執刀者の指示で剖検は進められる.部検は病理医だけでは決してスムーズに進行しないし,また剖検の目的も達せられない.剖検の介助,臓器の固定,写真撮影などのように直接剖検業務に関係することから器具の補充整理,解剖室の管理,肉眼標本の作製,固定臓器の管理,顕微鏡標本の作製など管理運営まで介助者と呼ばれる人が行わなければならない.更に剖検内容によっては病理医に助言のできるぐらいの学識をもてるように,日頃の勉強も怠ることはできない.
 介助者の広範な業務内容全部にふれることはできないが,病理解剖に携わる介助者の,通常行われる仕事の内容について解説する.紙面の都合で総論的記載が大部分であるが,各論は最も苦労の多い脊髄の取り出し方のみ述べ,他は別の機会にゆずる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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