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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻4号

1975年04月発行

文献概要

新しいキットの紹介

酵素法による血清総コレステロールならびに遊離コレステロールの測定法に関する諸検討

著者: 入江章子1 舟木正明1 阪東慶一1

所属機関: 1国立大阪病院研究検査部

ページ範囲:P.402 - P.405

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はじめに
 血清総コレステロールならびに遊離コレステロールの測定は,肝実質障害,甲状腺代謝異常,胆道閉塞および種々の脂質代謝障害を検査する目的で,古くから広範に日常検査として実施されている,また測定方法も種々改良され,使用試薬についてもしばしば吟味されて,極めて簡易な操作でしかも優れた精度を持つ測定キットも幾多開発されてきた.しかしいずれの場合も,試薬としては強酸を使用しなくてはならず,更に試薬の混合条件が呈色の感度を左右するなどの欠陥が避けられない.
 最近,協和醗酵社より開発された"デタミナーTC","デタミナーFC"はエステル型および遊離型コレステロールにそれぞれ加水分解酵素ならびに酸化酵素を作用させて,コレステロールを特異的に分解し,生成した過酸化水素に呈色反応系を組み合わせて,コレステロールを酵素法により測定するというはなはだユニークな測定キットである.我々は今回協和醗酵よりこれらのコレステロール測定キットの提供を受けたので,本測定法の反応機構ならびに反応条件,更に実地日常検査への応用に関する厳密な基礎的検討を行ったところ,はなはだ興味ある実験成績を認めることができた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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