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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻5号

1975年05月発行

文献概要

カラーグラフ

嫌気性菌の鏡検所見

著者: 鈴木祥一郎1 上野一恵1

所属機関: 1岐阜大・微生物

ページ範囲:P.464 - P.465

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 嫌気性菌も近頃は割合多くの病院で検査されるようになったことは,誠に喜ばしい.嫌気性菌に限らないが,主要な菌種をよく目に慣らしておくことが細菌検査には重要である.この8枚の写真だけではとても不足であるが若干のお役に立つであろう.培養法が重要であるが,私どもはSteel Wool法を好んでいる.以下の写真はGAM平板培地に塗抹24時間37℃培養である.ただし破傷風菌は48時間である.中村功先生は手指の創から塗抹染色し,芽胞の位置から破傷風を早期診断したご経験がある.以下のC.limosumは私どもの経験した足のガス壊疽であるが,組織の塗抹では芽胞は発見できなかった.Bacteroides, Peptococcusが臨床材料からは分離されることが多い.Bacteroidesの中ではB.fragilisが最も多く,数種の亜種がある.嫌気性(偏性!)杆菌でグラム陰性であったら60%ぐらいの確率でB.fragilisとしてよい.多忙な検査室ではそのくらいで満足すべきであろうが,せめてグラム染色を十分鏡検し,多形性の有無を見ておくとFusobacterium (昔のSPhaerophorus)を発見するチャンスがあろう.グラム陽性の嫌気性球菌は最近のBergey第8版で大きく分類が変わったから勉強せねばならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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