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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻5号

1975年05月発行

文献概要

総説

尿酸の検査

著者: 紺野邦夫1

所属機関: 1昭和大・生化学

ページ範囲:P.483 - P.487

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 尿酸(uric acid)はプリン体(核酸成分)の主なる終末産物で,体外からは食事中のプリン体,体内では核タンパクの分解産物から由来する.食事中の核タンパクの量の多寡により血中尿酸の量も増減する.また尿酸は腎糸球を経て原尿として排泄され,細尿管から90〜95%が再吸収されるため,腎機能とも密接な関係にある.したがって血中の尿酸量はプリン体の異常代謝,核タンパクの崩壊などの経過を反映し,痛風多発性骨髄腫,腎機能障害などの場合は異常に高い値を示すため診断に極めて有用である.その他,子}商,白血病,赤血球増多症,妊娠中毒,腸閉塞,鉛中毒などの場合にもその増加が認められる.また,悪性貧血や急性麻色肝萎縮の場合は減少が認められるなどこれらの疾患の診断の手がかりに大いに役立つ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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