icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻5号

1975年05月発行

文献概要

新しいキットの紹介

ガッスリーテストによる代謝異常症のスクリーニング成績とその問題点

著者: 北川照男1 小島和彦1 佐藤憲司1 西谷修1 広木文子1 野沢延江1

所属機関: 1日大・小児科

ページ範囲:P.530 - P.535

文献購入ページに移動
はじめに
 1953年にBickel1)が低フェニールアラニン食餌によるフェニールケトン尿症の治療を初めて試みて以来,多くの研究者によって食餌の組成,治療開始の時期,投与方法および効果が検討されてきた.そして,早期に診断し,早期に治療を開始するほど予後が良いことが明らかにされて,新生児期に正しく診断できるマス・スクリーニング法が要求されるようになった.
 尿中のフェニールピルビン酸を検出するための試験紙によるフェニールケトン尿症(PKU)のスクリーニングは,既にわが国でも10年以上の歴史があるが,この方法で正常と診断されていたにもかかわらず,後になってPKUと分かった症例が相次いで報告されている2,3).尿検査で異常がないと診断されていた患者は,毛髪が赤く,言語や運動の発達が遅れていても,PKUとは気付かれなかったようである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?