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「Papanicolaou染色方法」について
著者: 福島範子1
所属機関: 1国立東京第一病院 検査科病理
ページ範囲:P.659 - P.663
文献購入ページに移動 Papanicolaouの染色方法は1943年,Papanicolaouが腟脂膏から得られる剥脱細胞(Exfoliative cell)について子宮の周期的変化を研究するのに用いた方法で,これが次第に各種臓器の悪性腫瘍の剥脱細胞に応用され,腫瘍細胞診として広く行われる様になつて来たものである。その特徴の1つは固定法にあり後記する様に特殊な方法により標本を乾かさずに固定する所謂湿潤固定(Wet Smear)で,細胞の水分や脂肪がエーテルやアルコールと置換され,従来の乾燥固定法の如く細胞を載物グラス上に伸展乾燥し厚みを無くして見る方法に比すれば,原型に近いふくらみを持たせたまま固定,染色するものである。更に1つの特徴は染色方法で高濃度アルコールや有機溶媒液の使用により透明度の高い標本を得る為,ふくらみのある細胞が或程度密集していても構造の細部,殊に核の微細な構造を詳細に観察し得るものである。
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