臨床検査2巻8号

1958年08月発行

高級技術講義

嫌気性桿菌の検査法

著者： 川泊敏夫¹ 高橋昭三²

所属機関： ¹米駐留軍406綜合医学研究所細菌部 ²東大細菌学教室

ページ範囲：P.471 - P.478

　Bergey's Manual of Determinative Bacteriologyでは，Bacillaceae科中，グラム陽性有芽胞菌に，2つの属を別けて居る。この両者は，酸素に対する態度で区別する。Bacillus属は，好気性又は通性嫌気性であり，Clostridium属は，偏性嫌気性である（Clostridiumには，微好気的な条件^1）で発育できるものも少しある。C. carnis，C. histolyticum，C. tertium.）。両菌属間の，もう1つの相異点は，Clostridiumがカタラーゼ陰性で，Bacillusが陽性な事である。
　Clostridiumはすべて死物寄生性^2）であり，病原菌とされるものは，毒素を産生するものである。通常，病原性Clostridiumをそれぞれの菌のおこす疾患により3群にわける。