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文献詳細

雑誌文献

臨床検査2巻8号

1958年08月発行

文献概要

技術解説

Atypical Mycobacteria

著者: 高橋昭三1

所属機関: 1東大細菌学教室

ページ範囲:P.499 - P.504

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 昭和30年5月の新聞に,黄色菌という,結核菌によくにて居る抗酸性菌が,人間の結核と同じような病気をおこし,しかも抗結核剤が無効であるという記事が出て居たのを,読者は御気附になつたであろうか。これはアメリカのある学会の報告を大々的に取あげたものであつた。丁度同じ頃,私はその菌と同じような菌に出合つたのである。その少し前,染谷博士,占部教授も,同じようなものを見て居る。
 ところで,本菌は,Atypical mycobacteria又はatypical acid-fast bacilliと言われる事が多く,これは,「定型的でないミコバクテリア」とか,「変つた結核菌」とでも言う意味で,適当な日本語がない。そこで,今回は一先ず,Atypicalmycobacteria(At.Mb.と略記する)と呼んで述べてみたい。atypicalとは「定型的でない」,又mycobacteriaは,抗酸性菌,特に結核菌を意味する事が多い。このように呼ばれて居るという点からもわかるように,本菌はまだ正当な位置を認められていない菌であり,定義もはつきりして居ない。しかし,多くの人が,同じょうな菌を指して,At.Mb.と言つて居るのには,共通した点があるからである。これをRunyon等は次のように述べて居る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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