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カラーグラフ
単球とマクロファージ
著者: 太田宏1
所属機関: 1名古屋大,第1内科
ページ範囲:P.4 - P.5
文献購入ページに移動 血液単球の起源および運命,特に各組織内のマクロファージとの関係については従来より多くの議論があった.ここ10年間に,1)放射性同位元素を用いた細胞動態の研究,2)酵素化学反応を併用した超微構造(特にペルオキシダーゼ反応を併用した電顕的観察)の所見,3)非特異性エステラーゼ(フッ化ナトリウムに抵抗性を示す)など単球系細胞に比較的特異な細胞化学的染色を用いた研究,4)単球白血病でリゾチームが著増することと関連してリゾチームを指標とした細胞の鑑別,5) IgG receptorを介した赤血球貪食を観察する方法,6)細胞培養法の発達,普及など多方面からの追求が可能となった.その結果,骨髄に起源をもち,血液単球を経て組織や胸腔,腹腔内のマクロファージに到る細胞系列としてMononuclear Phagocyte System (単核食細胞系)なる名称が提唱された.これにはまだ異論もあるが,この系統の細胞は骨髄内で顆粒球に近縁な前駆細胞から発生すること,また血液単球が組織へ出てマクロファージに変化する際に種々の酵素活性を増すなど,生物活性を高める能力を有することなどが明らかにされている.ここでは単球の形態学的特徴,IgG感作赤血球の貪食能,細胞内のリゾチーム活性の証明,皮膚窓の実験をモデルとして,マクロファージへ変容する際の酵素活性について記載する.
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