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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻1号

1976年01月発行

文献概要

技術解説

組織内真菌検出のための染色法—特にPAS染色,Grocott染色,Gridley染色を中心として

著者: 直江史郎1 黒岩陽子1

所属機関: 1聖マリアンナ医大・第2病理

ページ範囲:P.20 - P.24

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 日常病理組織標本を観察していると,真菌症が疑われる症例に遭遇する機会が多いであろう.真菌症の病理組織学的診断には真菌の検出が最も重要であり,次いで真菌の種属判断が必要となる.それには適当な染色法を適用しなければならない.このような場合にはPAS染色(McManus法)を施すことが最も一般的であろう.しかし,PAS染色はしばしば他の組織成分が染まることから,皮膚真菌症を疑っている標本や,組織内に菌要素が少ない標本などを見るときには,必ずしも観察しやすい染色法とはいえない点もある.そこで最近はPAS染色の他に,組織内の真菌形態をより容易に観察しようという努力が払われている.
 さて,約10万種も自然界に存在するといわれ,我々の周囲のあらゆる所に存在している真菌は,入間や動物に感染症や中毒を起こさせるのみでなく,食品の腐敗や変質,植物の疾病を来し,また一方,醸造醗酵,医薬品製造,食品として利用されてもいる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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