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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻1号

1976年01月発行

文献概要

研究

CPK,HBD,LDHの3種類酵素の同時微量測定について

著者: 松尾武文1 中谷雅子1

所属機関: 1兵庫県立淡路病院臨床検査部

ページ範囲:P.57 - P.59

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はじめに
 急性期の心筋硬塞の酵素的診断法として,心筋からの逸脱酵素であるCPK,HBD,LDH,GOTなどの酵素検査が日常よく用いられている.この逸脱酵素の中でも,特にCPKが心筋硬塞の早期診断に有用な酵素検査であることは,CCUに収容された360人の酵素検査の結果から明らかにされている1).心筋硬塞の発作早期にはまずCPKが増加し,続いてGOT,LDHの増加がみられる.HBDはLDHの増加と同様の様式を示すが,正常域への復帰はLDHよりも遅れている.このためCPKをはじめとしてGOT,HBD,LDHの測定は,急性期心筋硬塞では頻回に測定が行われている.特にCCUを有する施設では,これらの酵素検査は緊急度も高く,迅速で正確な測定結果が要求される.このため検査室に対する負担も当然大きくなってくる.
 そこでCCUにとって緊急度の高い酵素検査が,同時に簡便に測定できる方法が必要である.既に私どもは,エッペンドルフのマイクロリッターシステムを用いた,トランスアミナーゼの微量化について報告した2).今回は,このエッペンドルフのマイクロリッターシステムを用いて,CPK,HBD,LDHの3種の酵素検査が同時に微量測定できる方法について検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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