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Senior Course 生化学
—臨床化学検査における酵素化学—酵素による定性・定量分析 Ⅰ
著者: 山下辰久1
所属機関: 1順大・生理化学
ページ範囲:P.108 - P.109
文献購入ページに移動 生命現象を考えてみると,その根底には物質代謝が存在しており,物質代謝は酵素によって触媒される化学反応である.疾病が物質代謝の変調であるとすると,それに関与する個々の酵素ないし一連の酵素系が変調を来していることがしばしばある.そのような意味から,人体の生理的あるいは病的現象を酵素学的な面から追求しようとする試みが重視され,酵素化学が臨床面に広く応用されているゆえんである.しかしここでは本誌の性質上,酵素化学の臨床応用面の一つである臨床化学検査における酵素化学の意義について述べることにする.
臨床化学検査における酵素化学の役割は大きく分けて二つの面があり,一つは組織や体液などの被検材料中の代謝物質の濃度の測定であり,それらの濃度は代謝の状態の有用なindicatorをして役立つ.もう一つは被検材料中の酵素活性の測定であり,殊に,細胞代謝に直接関与する酵素が血清中に現れてくるのを測定して組織の損傷の度合を知ろうとする手段に用いられている.しかし前者についてはまだあまり応用範囲が広くないが,特異性の優れた方法として徐々に用いられてくるものと思われる.
臨床化学検査における酵素化学の役割は大きく分けて二つの面があり,一つは組織や体液などの被検材料中の代謝物質の濃度の測定であり,それらの濃度は代謝の状態の有用なindicatorをして役立つ.もう一つは被検材料中の酵素活性の測定であり,殊に,細胞代謝に直接関与する酵素が血清中に現れてくるのを測定して組織の損傷の度合を知ろうとする手段に用いられている.しかし前者についてはまだあまり応用範囲が広くないが,特異性の優れた方法として徐々に用いられてくるものと思われる.
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