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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻10号

1976年10月発行

文献概要

Senior Course 血清

—血清検査の基礎—Rh式血液型の判定法

著者: 浅川英男1

所属機関: 1東京医歯大・中検

ページ範囲:P.1098 - P.1099

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 O型の受血者にO型の供血者の血液を輸血して問題は起こらないかと問われれば,即座に否という言葉がもどってくるほど今日では常識的である.そのときいちばん問題になるのがRh式血液型である.ABO式血液型に次いでRh式血液型の判定が重要視されるのは,Rh陰性者にRh陽性血球が輸血されたとき,ABO式はたとえ同型であっても,抗Rh抗体が生じ,しいては輸血副作用を起こしうる.またRh陰性の婦人がRh陽性者と結婚,妊娠したとき,やはり胎児がRh陽性であれば抗Rh抗体が妊婦に生じて,第2回目の出生のとき新生児溶血性疾患を引き起こす.このRh式血液型は臨床的意義からも重要視され注目されたわけで,今日ではABO式血液型とともに,Rh式血液型はルーチンの仕事として日常の輸血部の業務となっている.
 Rh式血液型は,1970年LandsteinerとWienerにより発見されたが,当初アカゲザル(Macacus rhesus)赤血球に対するウサギ,モルモットの免疫血清によって見出されたが,ヒト血清中にはより多くの因子がその抗体中に存在することが明らかとなり,表1のようにFisher&RaceとWienerは別の命名法がとられている.その中でRh陽性というのはD抗原を有するものをいう.臨床的に重要な意味があるのは抗原性の最も強いD抗原であり,免疫同種抗体である抗D抗体は通常IgGに属する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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