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特集 臨床検査室マニュアル Ⅳ.正常値
D.実験動物の正常値に関して
著者: 長瀬すみ12
所属機関: 1佐々木研究所化学部 2附属杏雲堂病院検査科
ページ範囲:P.1243 - P.1248
文献購入ページに移動 ヒトの臨床検査に関するこのような特集号に,ほんの一端とは言え,実験動物の正常値についての問題が取り上げられるのは異例のことと思う.しかし,医学の進歩の過程や未来を考えるとき,実験動物の果たした,また今後も果たすであろう役割は大きく,ヒトと同時に実験動物の問題にも関心が寄せられるのは当然の成りゆきと言えよう.しかし,現時点においてこのタイトルについて述べることは至難の業と思われる.それにもかかわらず,あえてペンをとったのは,現状では主としてヒトを対象としておられる本誌の読者たちに,この方面の問題点を認識していただき,今後ますます増加するであろう動物実験のデータを,より効果的に臨床に活かすために皆で努力し続けたいと念じたからである.
ヒトの正常値については,多くの人々によって論じられ,関係者の協力によって数々の問題を残しながらもしだいに整理されてきた.しかし,いったん実験動物の分野に目を転じると,疾患モデル,毒性テストなどで臨床検査が必須とされ,多く実施されているにもかかわらず正常値の設定は困難な現状である.
ヒトの正常値については,多くの人々によって論じられ,関係者の協力によって数々の問題を残しながらもしだいに整理されてきた.しかし,いったん実験動物の分野に目を転じると,疾患モデル,毒性テストなどで臨床検査が必須とされ,多く実施されているにもかかわらず正常値の設定は困難な現状である.
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