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特集 臨床検査室マニュアル Ⅴ.検査データからみた疾患の特徴
下垂体機能異常症
著者: 屋形稔1
所属機関: 1新潟大,中検部
ページ範囲:P.1260 - P.1261
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一口に下垂体機能異常といっても,単一の疾患ではなく,表1のごとくいくつかの異なる下垂体ホルモン異常による機能的または形態学の種々の異常を含めて呼称するものである.しかも最近は下垂体の更に上位にある視床下部ホルモン(下垂体ホルモン放出ホルモン)の研究の進歩から,これの測定(ラジオイムノアッセイ)や負荷テストが可能となり,視床下部異常もこの中に包含されている.したがって下垂体ホルモン単独欠損症などが,逐次新しく発見され加えられてきている.しかし,疾患の多くはその成因が決して明らかとなったとはいえず,難病といえるものがあるが,臨床的に早期に発見して治療をすることが,その後の患者の予後を左右するものもあり,厚生省の特定疾患調査研究の対象疾患として,下垂体機能異常も選ばれている状態である.
また,汎下垂体機能低下症のごとく大半が確実に診断が下されるまでに他の疾患として治療されているものもあり,確実に診断されて補充療法を行えば正常の社会生活を営めることからも,疑わしい場合に決め手となるホルモン検査の施行が是非とも望まれる.これらの診断には症状を参考とすることがもちろん不可欠となるが,必要な検査の施行とデータの分析が重要なことになる.
一口に下垂体機能異常といっても,単一の疾患ではなく,表1のごとくいくつかの異なる下垂体ホルモン異常による機能的または形態学の種々の異常を含めて呼称するものである.しかも最近は下垂体の更に上位にある視床下部ホルモン(下垂体ホルモン放出ホルモン)の研究の進歩から,これの測定(ラジオイムノアッセイ)や負荷テストが可能となり,視床下部異常もこの中に包含されている.したがって下垂体ホルモン単独欠損症などが,逐次新しく発見され加えられてきている.しかし,疾患の多くはその成因が決して明らかとなったとはいえず,難病といえるものがあるが,臨床的に早期に発見して治療をすることが,その後の患者の予後を左右するものもあり,厚生省の特定疾患調査研究の対象疾患として,下垂体機能異常も選ばれている状態である.
また,汎下垂体機能低下症のごとく大半が確実に診断が下されるまでに他の疾患として治療されているものもあり,確実に診断されて補充療法を行えば正常の社会生活を営めることからも,疑わしい場合に決め手となるホルモン検査の施行が是非とも望まれる.これらの診断には症状を参考とすることがもちろん不可欠となるが,必要な検査の施行とデータの分析が重要なことになる.
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