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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻11号

1976年11月発行

文献概要

特集 臨床検査室マニュアル Ⅴ.検査データからみた疾患の特徴

血小板減少性紫斑病—特発性血小板減少性紫斑病

著者: 寺田秀夫1

所属機関: 1昭和大・内科(藤が丘病院)

ページ範囲:P.1272 - P.1273

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1.概念
 血球の中で最も小さく,その容積は赤血球の約1/8といわれる血小板は,種々の凝血に関する因子を含み,特に血小板血栓を作って止血の第一歩に大切な役目を果たしている.また血小板は毛細血管機能の維持にも関係している.したがって血小板が減少すると皮膚や粘膜に点状,虫ピン大の出血点(紫斑)や,これよりやや大きな出血斑(溢血斑)を生ずる.このような病気を総称して血小板減少性紫斑病と呼ぶ.
 さて血小板減少を来す主な原因は表1のごとくいろいろあるが,大きく分けて血小板の母細胞である骨髄巨核球の減少の結果,血小板が減少する群(amegakaryocytic type)と,骨髄巨核球は減少しないのに,免疫異常や脾の働きの亢進によって血小板の破壊が異常に高まるために,血小板が減少する群(megakaryocytic type)の2つになる.表1の中の2,3,10などは前者に,1,4,5〜9,11〜13,15,16は後者に属する.これらの中で,日常血小板減少性紫斑病と呼ばれるものは1の本態性血小板減少性紫斑病(Idiopathic thrombocytopenicpurpura:ITP)である.以下この病気を簡単に説明する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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