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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻11号

1976年11月発行

文献概要

特集 臨床検査室マニュアル Ⅴ.検査データからみた疾患の特徴

慢性関節リウマチ

著者: 蕨治言1

所属機関: 1順大・内科

ページ範囲:P.1280 - P.1281

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1.概念
 慢性関節リウマチ(RA)の概念をクリアカットにつかむためにはリウマチ性疾患について理解しておかなければならない.なぜならば,RAはリウマチ性疾患のなかの一構成疾患であり,このリウマチ性疾患の種類が極めて広範囲であるからである.すなわち,広い意味での結合織の病気を総称してリウマチ性疾患と呼び,これは症候群の中ではいちばん広範囲である.その中で関節を中心として,全身の結合織も系統的に侵される炎症性の代表的リウマチ性疾患としてRAは把握されねばならない.それだけに臨床家がRAと診断をつけることは安易に考えれば簡単であるが,厳密に言うと極めて難しいと言わざるを得ない.現在,RAの診断のためにはアメリカリウマチ協会(ARA)の診断基準が世界的に使用されている.このARAの診断基準そのものが,RAの概念といえるが,除外項目も含めて非常に複雑である.典型的,あるいは確定的RAの症状を呈していても,除外疾患との鑑別が必要でおり,ProbableあるいはPossible RA的な条件しかない症例においては,その診断は更に慎重でなければならないことが分かる.RAの概念を考えるときにもう一つ重要なことは,RAは現在,膠原病と称されている全身性エリテマトーデス,強皮症,リウマチ熱,皮膚筋炎,結節性動脈周囲炎と同様の疾患群に属していることである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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