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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻11号

1976年11月発行

文献概要

特集 臨床検査室マニュアル Ⅴ.検査データからみた疾患の特徴

心筋硬塞

著者: 桜井秀彦1 岡田了三1

所属機関: 1順大内科

ページ範囲:P.1292 - P.1293

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1.概念
 心筋硬塞とは,心筋を養う冠状動脈が動脈硬化症などにより内腔が狭窄や閉塞を起こし血流の減少や途絶を来し,ひいては心筋細胞は血液の供給不足から酸素不足となり,壊死を生じた状態をいう.最近本邦でも食生活の欧米化,人口の老齢化とともにその発生頻度は年々増加し,また季節変動もなく発生する傾向にある.本症の危険因子としては高血圧,高脂血症,肥満,喫煙,糖尿病,ストレスなどがあり,これらの治療,改善が本症の予防に必要である.臨床的には胸痛が主徴で,突然胸骨裏面に絞拒感,灼熱感を訴え死の恐怖を伴う激烈な痛みである.この胸痛は時に左肩,背中,左腕,心窩部へ放散し,疹痛の持続時間は長く安静やニトログリセリンでは寛解せず麻薬が必要となる.その他,発熱,白血球増加,血沈充進,血清中酵素活性値の増加,心電図の進行性変化など検査のうえからも心筋壊死を示唆する所見が得られるが,冠状動脈の変化を表すものではない.ここでは臨床検査を中心に心筋硬塞を概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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