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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻12号

1976年11月発行

文献概要

Senior Course 血清

交差適合試験,梅毒の血清学—血清検査の基礎

著者: 浅川英男1

所属機関: 1東京医歯大・中検

ページ範囲:P.1434 - P.1435

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交差適合試験
 交差適合試験は輸血のための検査には欠くことができない.通常ABO式,Rh式血液型以外の不規則性抗体は本方法による以外に容易に見出す方法はない.ABO式,Rh式血液型による輸血の適合性の確認とともに交差適合試験が重要であることが理解できる.
 交差適合試験は受血者血清中に供血者血球に対する抗体の有無(オモテ試験),供血者血清中に受血者血球に対する抗体の有無(ウラ試験)を試すことである.1人の受血者に複数の供血者の血液を輸血するときには供血者間の血液についての交差適合試験が必要となってくる.したがって交差適合試験のプランをたてることが大切である.例えば,健康人の血清中には5℃で反応する非特異的凝集素があるので,交差適合試験を5℃というような低温度で行ってはいけない.抗体の試験管内でのいろいろの反応態度をよく知っておくことが交差適合試験を計画するうえで重要で,抗A,抗B,抗M,抗Pは食塩水中で通常凝集する.しかし,Rh式抗体の大部分は食塩水以外のメディウムを用いない限り凝集せず,Kell Duffy,Kiddなどの抗体はメディウムを工夫してもだめで,抗グロブリン試験を用いなければならない.また,抗体によって補体を血球に結合させる能力により検出されるものもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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