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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻13号

1976年12月発行

文献概要

カラーグラフ

下垂体前葉内分泌細胞の鑑別染色—特に好銀性染色法および鉛・ヘマトキシリン法の適用

著者: 鬼頭花枝1

所属機関: 1愛知県がんセンター研究所

ページ範囲:P.1448 - P.1449

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 下垂体前葉を構成する内分泌細胞は,諸色素による染色性から,およそ3種類に区別される.すなわち好酸性のα細胞,好塩基性(あるものはPAS陽性)のβおよびò細胞と,色素嫌性細胞である.α細胞からは成長ホルモン(STH),乳汁分泌ホルモン(LTH)を,β細胞は甲状腺刺激ホルモン(TSH),副腎刺激ホルモン(A-CTH),ò細胞は性腺刺激ホルモン(FSH, LH)を産生分泌すると考えられている.今回,私は下垂体前葉細胞の同定に従来から行われてきたAzan-Mallory, Aldehyde-Fuchsin, Aldehyde-Thionin-Orange G-PASなどの特殊染色法に,最近開発されたGrimelius (1968)の好銀性染色(Medical Technology,3(2),カラーアトラス,1975参照),Solciaら(1969)のLead-Hematoxylin染色(同誌参照)を併用した結果,従来ò細胞とみなされた細胞と少数の色素嫌性細胞(色素嫌性腺腫を含む)に好銀性顆粒を証明し,またα細胞がLead-Hematoxylin染色(膵島ではD細胞が強陽性)により鮮明に染色されることを見出した.ここでは構成内分泌細胞の同定を確実にするため,可能なかぎり同一切片を用いて観察するようにした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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