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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻13号

1976年12月発行

文献概要

技術解説

極く微小な電位の体表からの記録

著者: 江部充1

所属機関: 1虎の門病院生理学科

ページ範囲:P.1464 - P.1468

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 1961年米国のMITで開発された電圧加算コンピューター,CAT (Computer of AveragingTransient)は雑音の中から小さな信号を取り出すための装置として優れた機能を発揮し,我が国でも早速同様の製品が開発され,生理学の分野での研究に広く利用されるとともに,その成果が臨床検査にも応用され,今日では検査室でも日常使用されるに至った.
 この装置1)の原理と操作の説明は省略するとして,現在我々が検査室でよく使用する検査としては,光や音の刺激,皮膚の知覚刺激によって反応する大脳皮質での誘発電位の頭皮上での記録,四肢の知覚神経興奮伝導速度の測定の指標となる活動電位の皮膚上での記録,網膜電位図(ERG)の皮膚上からの記録などがあげられる.これらの記録された反応電位は雑音としての背景電位の変動に比して振幅が小さく,10μV前後の電位変動である.なんといっても,このような小さな生体の電位を,患者を傷けることなく,すなわち無侵襲の状態で記録ができるということに最大のメリットが見出される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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