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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻13号

1976年12月発行

文献概要

総説

サイクリックAMP

著者: 岡博1

所属機関: 1東大・第1内科

ページ範囲:P.1469 - P.1475

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 サイクリックAMP (cAMP)は,Sutherlandによっでグルカゴンやエピネフリンのグリコーゲン分解作用を仲介する物質としで1958年に発見された.次いで数多くのホルモンが,それぞれの標的細胞のcAMPを増加させること,またcAMPによってそれらのホルモン作用が再現できることが1960年代の半ばごろまでに明らかにされるに及び,単に一部のホルモン作用に関連するのみではなく,生体の多くのホルモン性代謝調節に重要な役割をもつ物質として注目を集めるようになった.更に60年代後半から70年代にかけて,その簡易な測定法が開発されたこともあっで,cAMPに関する研究は質的にも,量的にも大きな発展を遂げ,現在では,cAMPはホルモン作用のみでなく,もっと広く,生体の多くの機能に密接な関係をもつことが明らかにされている,もっとも,これらすべでの現象において,cAMPが何らかの役割を演じていることは確実としても,その意義や作用機構がすべで解明されたわけではなくて,cAMPの関与が明らかになるとともに,むしろそれに伴って他の因子,例えばCa2+などの重要性もあらためて強調されているというのが現状である.cAMPに関しては既に多くの単行本や特集があるので1〜6)詳細な点はそれらを参考にしていただきたい.
 ここでは,cAMPの作用についで概説するとともに,その測定法,および臨床検査の分野における意義を中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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