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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻13号

1976年12月発行

文献概要

研究

GPT型とGPT血清活性値に関する検討

著者: 北武1 佐々木洋子2 斉藤幸子3 及川真理子4

所属機関: 1弘前大法医学 2弘前大病院臨床検査部 3函館市立病院検査科 4北里バイオケミカルラボラトリー

ページ範囲:P.1510 - P.1513

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緒言
 グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(Gluta-mic-Pyruvic transaminase:GPT, E.C.2.6.1.2)は,臓器・組織中に広く存在するトランスアミナーゼの一種であり,血清中のGOT, GPTの活性値は,心筋硬塞,肝炎などで上昇するというLaDueら(1954)1),Wrób-lewskiら(1955)2)の報告以来,傷害細胞より血中に著明に遊出する酵素として,殊に肝疾患において極めて鋭敏に変動することなどより,臨床検査に繁用されている.この血清中GPT活性値の正常値については,報告者および測定方法により若干の差のある成績が報告されており,疾患によっては,いわゆる正常値とオーバーラップする成績も報告されている.
 赤血球のGPTについて,Chenら(1971)3)は2個の対立遺伝子Gpt1,Gpt2によって支配され,メンデルの法則に従い,GPT 1型,GPT2-1型,GPT 2型の3個の正常表現型を発現する多型性現象の存在について報告し,更にその後,Chenら(1972)4),Welch (1972)5)は,GPT型別に分類された赤血球のGPT活性値について,1型の活性値は高く,2型は低く,2-1型がその中間に位置するという型と活性値の関係について報告している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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