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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻13号

1976年12月発行

文献概要

検査と主要疾患・48

う蝕

著者: 杉中秀寿1 小谷尚三2

所属機関: 1阪大,歯学部細菌 2阪大,細菌

ページ範囲:P.1536 - P.1537

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 う蝕とは,歯牙硬組織が限局性かつ進行性に破壊される疾患である.病因論については,Millerが化学細菌説を提示して以来,乳酸杆菌が主役とされてきた.近年,う蝕病巣から分離されるレンサ球菌,Streptococcus mutansが高しょ糖加飼料で飼育した実験動物にう蝕を誘発し,乳酸杆菌はこのような病原性をほとんど示さないことが判明した.
 S.mutansは主としてプラーク(歯苔)に局在し,唾液や粘膜部からはほとんど検出されない.プラークとは主として微生物およびその産生物より成り,歯面に強く固着した構築物である.プラーク細菌叢の中で最も大きな割合を占めるのはレンサ球菌で,中でもStreptococcus sanguisならびにう蝕部位ではS.mutansが主流を占めている.Streptococcus salivariusはプラーク中にはほとんど存在しない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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