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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻5号

1976年05月発行

文献概要

技術解説

心機図

著者: 沢山俊民1 山本誠一2

所属機関: 1川崎医大・内科(循環器内科) 2川崎医大病院中検生理機能室

ページ範囲:P.489 - P.496

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心機図とは
 心臓病の診断法は日進月歩を続けているが,なかでもこれから解説する心機図法(心臓の機械的収縮過程をグラフ化する方法,Mechanocardio-graphy;MCG)は特に注目されている非観血的な検査法の一つである1,2)
 ここにいう心機図法とは,我々が視診および触診により感知する心血管系の低周波振動の波形,すなわち心尖拍動図,頸動脈波および頸静脈波を,心音図,心電図と組み合わせて記録する方法と解釈する.本法は,1921年,Wiggersが心電図,心音図および頸動脈波を同時に記録したことに始まる3).長い間,この方法はあまり顧りみられなかったが,近年に至り心血管系の視・触診が重要視されるとともに脚光を浴びるようになった.更に,Weisslerらが,この方法による左室収縮時間(Left ventricular systolic interval;LVSTI)が,観血的に測定した左心機能検査成績とある程度よく相関することを示して以来急速な発展を遂げつつある4).特に欧米では本法が一般化しており,本邦でも4〜5年前から盛んに行われるようになった5).著者らも本法をルーチン化し,心電図法に次ぐ心臓診断法として臨床に応用している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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