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Senior Course 生化学
—臨床化学検査における酵素化学—酵素による定性・定量分析 Ⅴ
著者: 山下辰久1
所属機関: 1順大・生理化学
ページ範囲:P.556 - P.557
文献購入ページに移動 これまで4回にわたって代謝物質の定量に酵素反応を用いる場合に注意しなければならない一般的事項ならびに現在臨床化学検査に用いられている幾つかの測定法と酵素反応の使用が可能であると思われる測定法についての原理を簡単に述べてきたが,この他まだ酵素を用いて測定される物質の定量法をあげればきりがないけれど,それらが直ちに臨床化学検査に応用されるとは思われないので,ひとまず"酵素による定性・定量分析"の具体例はこの辺で止めにし,ここでもう一度これまで述べた測定法を振り返りながら,代謝物質濃度の測定に酵素を用いる場合に必要な基本的な問題について少し述べてみたい.
一般にある物質(S)が酵素反応S→Pに関与しているならば,この反応がその物質の定量に使用される.この場合基質(S)の産物(P)への転換が実用上完全に行われれば酵素分析は簡単である.しかも基質と産物との性質が化学的にも物理学的にも互いに違っている場合には,SまたはPを物理化学的—例えば分子吸光係数のような物理恒数を用いて—または酵素学的に分析することによって容易にその物質の濃度を計算することができる.
一般にある物質(S)が酵素反応S→Pに関与しているならば,この反応がその物質の定量に使用される.この場合基質(S)の産物(P)への転換が実用上完全に行われれば酵素分析は簡単である.しかも基質と産物との性質が化学的にも物理学的にも互いに違っている場合には,SまたはPを物理化学的—例えば分子吸光係数のような物理恒数を用いて—または酵素学的に分析することによって容易にその物質の濃度を計算することができる.
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