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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻6号

1976年06月発行

文献概要

カラーグラフ

—細菌の塗抹・培養 Ⅱ—腸管感染原因菌 1

著者: 小寺健一1

所属機関: 1阪大微生物病研究会臨床検査部

ページ範囲:P.574 - P.575

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腸管系病原菌は伝染病の病原菌と食中毒型の腸炎起因菌とに大別される.
 伝染病の病原菌としては,Vibrio cholerae,Salmonella typhi,Salmonella paratyphi AおよびB,Salmonella sendai,Shigella属菌がある.食中毒型としてはVibrio parahaemolyticus,上記のSalmonellaを除く大部分のSalmonella属菌,病原大腸菌,耐熱性Clostridium perfringensなどがある.Vibrio cholerae serogroup O-1(biotype choleraeとbiotype eltor)によって起こるコレラは,烈しい米のとぎ汁様の下痢と嘔吐を起こし,強い脱水症状を伴うのが特徴である.これらの症状はコレラ菌の産生するコレラ・エンテロトキシン(choleragenとも呼ばれる)によるものである.東南アジアにおいては常に患者が発生しているので,海外からの帰国者の検疫において重要な伝染病といえる.Vibrio parahaemolyticusによって起こる食中毒は,細菌性食中毒の約半数をしめており,その発生は夏期に多い.この疾患は下痢が烈しく,水様性または血便を排泄する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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