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異常値・異常反応の出た時・43
ウロビリノゲン
著者: 水本隆章1 山崎晴一朗1
所属機関: 1久留米大内科中検
ページ範囲:P.713 - P.718
文献購入ページに移動 ウロビリノゲンの検査は,Ehrlichのアルデヒド反応として,その簡便さに加えて,肝機能や溶血性疾患の診断に大きな価値を有するものとして古くから用いられてきた.しかしながら,また,この検査ほど生体内外,その他種々の因子による影響を受けて変動をするものも少ないのではないかと思われる.実際,検査室において,異常値あるいは異常反応に出合ったとき,どう考えたらよいか.それにはまず,得られた検査成績が"異常値"であるかどうかの判断,それは,病的なものなのか,あるいは検査技師として取り扱われる問題,すなわち,検体または検査技術自体,内因性および外因性(薬物)物質の干渉あるいは生理的な変動によるものなのかの区別が必要である.検査室側から比較的容易に判断できることは,検体や測定技術などに特に誤りがないとすれば,色調異常あるいは正常であっても強度において異常反応を示す場合,あるいはその他の関連する検査成績との比較などに限定されるであろう.臨床診断との食い違いについては臨床側の協力が必要になってくるし,逆に指摘されて気がつくものである.次に検査室側の問題であれば,更に原因を追求し,できる限り除去して,検査を進めていくように努めなければならない.しかしながら,これらの因子は単独に影響するだけでなく,相互にかかわり合って,多岐にわたっており,技術上の誤りなどはある程度究明除去できたとしても,妨害物質の除去となると多くの場合不可能である.
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