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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻8号

1976年08月発行

文献概要

総説

現代のカラーディスプレイ—カラーグラフ参照

著者: 吉本千禎1

所属機関: 1北大応用電気研・ME部門

ページ範囲:P.799 - P.803

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 診断ということは非常に難しい決定過程である.その重要な要素は,正確な診断であること以外に,1高速,2可及的に単一結論であること,3単一診断名が得られない場合,可能性の程度を付した完全なリストが欲しい,この3要素が必要と思われる.
 高速性は,現在の時点での状態をできる限り把握するため重要である.高速,高精度であるためにはすべての検査が同時性を保ち,かつ,早く結果を情報として受容できなければならない.診断の目的は治療の方針とその効果判定を得るためである.したがって,診断は現在または過去の時点での疾患を決定するだけでなく,将来の予測が常に問題となる.予測の精度は過去および現在の状態把握を基礎に,いろいろな予測技術によって向上する.過去の情報ができるだけ多いことは精度を上げるために大切だが,一般には疾患の代償期は患者が病院を訪れないから,短時間の経過から予測を行うことになる.その場合も,高速でなければ,予測のために多くの時間を要することになる.生体現象は不可逆過程を基礎としているので,周期サンプリングは一般に困難で,同時性が必要な場合が多い.このことからも,多くの診断情報がなるべく同時に得られ,かつ,短時間に総合判断できることが望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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