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血小板自動計数における"Thrombo-fuge"の利用効果と性能について
著者: 井上日出王1 民伸子1 福田哲夫1 前田宏明1
所属機関: 1阪大市病院中検
ページ範囲:P.846 - P.849
文献購入ページに移動血小板の形態的,機能的な面の研究が進むにつれて,定量的にもより正確な血小板数値が要求されてくるのは当然である.この点,自動血球計数器の急速な開発と普及によって相応の成果をみたが,一般的には多血小板血漿(PRP)による計数法が採られていることから,PRPの分離法やヘマトクリット値による影響とか補正などに多少の問題点が残されており,方法論的には全血のままで直接的な計数への指向と追求が続けられているのが現状である1).
そこで現行の自動血球計数器による血小板算定法を大別すると,被検血液を一定時間静置してPRPを分離した後計数するいわゆる静置法と,低速遠心操作によってPRPを得て計数する遠心法とに分けられる.両者の長短についての基礎的検討は,既に数多くの報告にみられるが1〜3),静置法では至適静置時間,遠心法では至適遠心力の設定で苦しんでおり,ひいては自動計数値の動揺を来す誘因となっていることが指摘されている4,5).いずれにしても両者における長所を見出し,常に一定の条件下でPRPの分離を効果的に進めることが計数値の正確さと安定性を得ることを可能にするものと思われる.
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