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文献詳細

雑誌文献

臨床検査20巻9号

1976年09月発行

文献概要

Senior Course 病理

—病理検査の技術と知識—病理検査材料の整理

著者: 三友善夫1

所属機関: 1埼玉県立がんセンター病理部

ページ範囲:P.980 - P.981

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 病理検査材料の保存整理は,①検査後に更に精細に病変を検索する必要性,②教育,③疾病史上の価値などの主な三つの目的のためになされる.①および②は当然であるが,③は現在は一般的なありふれた疾患でも10年,20年後にはまれになる場合を考えて保存する必要がある.例えば20〜30年以前には粟粒結核症やチフスは剖検材料で見られたが,現在は極めてまれなものとなっている.現在しばしば認められる進行癌の末期像を将来どの程度見られるか,また治療法の進歩発展の推移を知るうえでもステロイド剤,抗癌剤,大量の放射線照射などの投与例とこれらの使用されなかった過去とを比較検討する点でも,慎重に保存整理された材料は必要となる.したがって,病理標本は単なる検査材料のみでなく医学上でも図書と同等の価値を有する財産である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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