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文献詳細

雑誌文献

臨床検査21巻10号

1977年10月発行

文献概要

カラーグラフ

解説

著者: 赤木正志1

所属機関: 1八尾市立病院皮膚科

ページ範囲:P.1044 - P.1044

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 カンジダ症の主役はCanadida albicansである.一般にCandiddaと言われる菌属は真性及び仮性菌系を作り,分芽胞子を生じ,糖を発酵する無胞子酵母菌である.酵母菌の分類書であるLodderの"The Yeasts"1970年版では81菌種がこの菌属に入れられているが,この中には37℃に発育しない菌種も多いので,実際に患者の検査材料から分離されるCandida属菌の数は限られてくる.
 C.albicansという意味はcandidus=純白の,albus=白色の,というように,その菌名には白色の酵母という意味しかない,それだけにこのような酵母を分類して行く指標は単に形態学的な性状を参考にするだけでは不十分であって,生物学的な性状を十分に検討しなければならない.しかし実際の臨床検査室の作業では省力的な考案が要求され,いろいろな簡便法が工夫されている.亜テルル酸カリウムを加えた水野・高田培地ではC.albicansは真黒色の集落を作るので,他のCandida属菌と容易に鑑別することができる.またCT培地ではCandidaとTo-rulopsisとの鑑別をすることができる.アピイースト・システムでは発酵試験と同化試験を同時に行うことができる.また菌体抗原の分析から凝集反応によってCandida属の菌種を同定することもできる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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