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文献詳細

雑誌文献

臨床検査21巻10号

1977年10月発行

文献概要

研究

微量自動分注器を用いたシステマティックな微量測定法の確立 第1報—酵素法による総コレステロール測定及びUV法による乳酸脱水素酵素測定について

著者: 藤川淳1 浅見勝恵1 三浦由美子1 長岡憲子1 篠崎恵理1 石渡和男1 仁科甫啓2

所属機関: 1朝日生命成人病研究所臨床検査科 2虎の門病院生化学科

ページ範囲:P.1115 - P.1118

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はじめに
 最近の20年間,臨床化学領域では測定法の微量化が強く推進されてきたが,その際,問題になったのは血清のような粘稠性のある生体試料を0.01ml(10μl)の単位で,正確に,かつ精度よく,しかも迅速に採量するにはどうするかであった.これに対する突破口の一つになったのはスイスのSanzが考案したマイクロピペットで,我が国では現在臨床検査部門で最も普及している.しかし,このSanzのピペットでも10μl以下の採量には正確度,精密度に限界が見られ1),特に同じSanzピペットを用いた場合でも使用者によって正確度にズレ,すなわち正確度に個人差が見られるなどの難点がある.
 そこで我々はこの問題を解決するために,酵素法によるコレステロール測定法及びUV法による乳酸脱水素酵素(LDH)活性測定法についてMicromedic自動分注器(Micromedic systems, Ins.U.S.A.,セントラル科学貿易扱い)の導入を試みた.その際一つの自動分注器で両測定を行えるように条件を設定した.その結果10μlの微量の検体採取でコレステロールで日差変動1.0%以下,LDH測定で2.5%以下という高精度を有し,日常検査に十分使用しうる術式を確立したので,ここで報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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